手術の注意 去勢避妊
 ■ 去勢・避妊手術による縫合糸反応性肉芽腫  
多くの動物病院でもっとも行われている手術のひとつに去勢・避妊手術があります。
一般的な去勢・避妊手術では精巣や卵巣・子宮の血管を縫合糸で結び、その糸を体内に残す方法が取られています。
しかし、最近の学会や論文でこの体内に残した糸が原因で起こる「縫合糸反応性肉芽腫」という病気が多く報告されるようになりました。
去勢・避妊手術をしてから数ヶ月から数年たった後に、糸で縫合した部分が大きく腫れてきたり、腹腔内に腫瘍と間違えるようなしこり(肉芽腫)ができたり、あるいは皮膚の様々な場所に腫瘤ができ化膿して穴が開くことがあります。
これらは体の中に残った糸に、体が過剰な異物反応を起こすことで起こると考えられています。
もし、このような症状が出た時には、手術で再度糸を摘出しなければなりません。
また摘出が不可能なほど癒着している場合は、一生ステロイドや免疫抑制剤を投与することもあります。
                                 
この縫合糸反応性肉芽腫は、特にミニチュアダックスが起こしやすい犬種だと言われています。それ以外でもプードル、チワワ、ポメラニアン、パピヨン、など他の犬種でも報告があります。
このような病気を未然に防ぐ為には、縫合糸を体内に残さないことです。
 
当院では、体内に縫合糸(特に絹糸)を残さない手術を飼い主様にお勧めいたします。
人間の手術でも使用されているダイオードレーザーにより、安全にまた確実に血管をシールすることと、吸収性縫合糸(3ヶ月以内に体内で吸収される)を使用することで、体内に縫合糸を長期間残さない去勢、避妊手術を行っております。 

                      

 

                                                   岐阜市金園町7-1   加藤小動物病院